精神世界は自己中心?
ある日、携帯を見るとO先生からのメール。 友人の足湯のバランスチェックもしてね、という内容だった。 足湯か〜。 出張でやってるから、考えたことなかったな。 でも、そういえば前回の施術で、たまにはゆっくり広いお風呂で体を温めるようにアドバイスしてたな。 とりあえず次回の施術のときに確かめてみるか。 それまで忘れないようにメモしていよう。。。 そう思っていると、友人から電話が鳴った。 今日の昼から出張施術の依頼だ。 こういうのもある種のシンクロニシティだな。 シンクロニシティとは意味のある偶然くらいの意味で用いられているが、そこには神様の意思が働いているとか、神様のメッセージであるとか、宇宙の法則がそこには働いているというように受け止められているが、非常にややこしい。 何故なら、自分を中心にして他の人のバックグランドを一切無視して考えれば、自分の事情に対応していろいろなことが起こったり、いろいろな人が自分に何かをしてきたりする。 それはあたかも、人ではなく、将棋のこまのようにその人の意思に関係なく、自分のために動かされているかのように見える。 そして、相手の人の目にも自分の動きはそのように見える。 つまり自分も神様のコマとして動かされている? 自分の意思のように思えて、そこには自分の意思がない? 精神世界的なルールで考えれば、自分のそうされる都合、相手のそうする都合が100パーセント一致しているという事になる。 ランダムで起こるとすれば、確率的には天文学的な確率になってしまう。 しかし、だからこそ神様の司るものなのだという事になっている。 偶然なのではなく必然なのだと。 しかし、そんなややこしいことを考えている人はほとんどいない。 相手の絶えず変わっていく都合と自分の絶えず変わっていく都合を合わせるように考えるからややこしい。 そこで、精神世界の解説では、自分の意思は自分で決めていて、自分の視点だけで見える世界を解説するのがほとんどだ。 つまり、目の前に起こること、現れる人は今の自分の状態を反映するもの。 相手がどうとか、周りの状況がどうということについては考えていたらややこしいから。 とにかく今の自分に必要なものやメッセージが現れているんだよと言う。 だから、自分の行いや思いを正しいものに保つ努力をしましょうと・・・ そして、わざわざそう言うものを持って来てくれた相手の人にありがとうと言いましょうと。 いや、でも待てよ、相手の視線から言えば、私は相手の行為をわざわざ受け止めてくれてありがとうと言われて当然なんじゃないのか? そしたら、お互い様じゃないか。 よく考えたら当たり前のことだ。 しかも、お互いから見れば、自由意志でそこにいるのではなく、神様の計らいでそこに連れてこられているのだ。 しかし、こんなことを言ってしまうと誰も精神世界に目覚めなくなってしまう。 だから、自分の自由意志はあるかのように話を進めて、その辺りのややこしいことには極力触れないようにしている。 なんともご都合主義だぞ、精神世界。 そういう記述では自己中心的なものの見え方しかできない。 自分にも自由意志がありそうでないことにしなければ、自分の世界の中では自分だけが特別という事になってしまう。 小林正観さんのように、運命は自分で決めてこの世に生まれてきていると言う考え方をすれば、自分には自由意志がありそうで実はないことになり、矛盾が減るのかもしれない。 そして、自分は生まれる前に自分で作ったプログラムの運行を体験するためにだけ、この世界に生まれてきたのかもしれない。 もしそうなら、我々は超リアルな体感ゲームを体験しているだけなのだろう。 決められたプログラムの世界の中でのみ、操作レバーをいじり、あらかじめ決められた有限の結末に向かって、ちまちまと方向を変えているのだ。 しかし、どの結末も自分が作ったプログラム内のものであるならば、どれも正解なのだ。 ステージをクリアしてもしなくても、次のゲームが待っているだけだ。 嗚呼、訳が分からなくなってくる。 しかし、精神世界にどっぷりつかると間違いなく自己中心的になっていくだろう。 その自己中心の自己とは結局は自分と他人が融合されたスーパーエゴのようなものだけど・・・ そんなこと考えているよりかは、自分だけは自由意志を持っていると考えて、自分に様々な経験をさせてくれる神様に感謝して、神様の言いなりになっていろいろな体験をさせてくれる人たちに感謝をして、自分の世界がいつまでも調和の保たれた美しい世界であり続けるように自分の心と体を律している方が、分かりやすくて気も楽だということだろう。 少なくとも私はそういうように割り切っている。 相手から見た自分がどう良く役割を神様に負わされて、相手の人に何かをしているかなどは考えない。 ただ、自分の都合で自分のすべきことをひたすら淡々とこなしていくのです。 |